民団新聞2011年4月27日(水曜日)版
名取市に会員派遣・在日医師会 交代で7月末まで
在日韓国人医師会(曺自然会長)は、東日本大震災の激甚被災地である宮城県の名取市に毎週、東京から3人1チームの医師団を派遣し、避難所で医療支援活動を展開している。被災者支援民団中央対策本部(本部長=鄭進中央団長)の支援で実現した。中央対策本部では引き続き、現地対策本部や民団傘下団体による避難所での炊き出しを支援すると同時に、物資救援や義捐募金活動にも全力をあげている。
医療支援活動は名取市の要請を受け、16日から始まった。曺会長を中心に医師会メンバーらが交代でチームを組み、名取市医師会(丹野尚昭会長)と連携しながら土曜日と日曜日に各避難所を回っている。
民団中央対策本部のメンバーも一緒に現地入りし、医療チームをサポートしている。在日医師会では、「日本社会に共に住む1人として、被災地のために少しでも役に立ちたい」との思いから活動を始めた。
市内の小・中学校や公民館など11ヶ所に避難所が設けられ、約1300人が避難生活を送っている。これまでに100人以上を診療した。担当医の専門は小児科と内科、消化器外科、皮膚科、眼科など。診療を受けた避難者は「先生と話をするだけでも心が落ち着く」、「一言声をかけてもらえるだけでも安心。ほんとうにありがたい」と話していた。
16日、曺会長と秦基洪医師の2人は避難所で子どもたちの姿を見ると、「温かいものを食べている?」と声をかけ、健康の優れないと見られるお年寄りには聴診器をあてた。小田治範医師も時間をかけて避難所を見て回り、丁寧に問診を繰り返して歩いた。
小田医師は「医療に大事なのはスキンシップ」という。秦医師も「避難所生活での精神的ストレスは計り知れない。患者に話しかけて、少しでも不安を取り除いてあげたい」と」声かけを重視していた。
名取市医師会の丹野会長は、「巡回の医師が不足しているのでありがたい。毎週継続して来てくれるのがなによりだ」と喜んでいる。
在日医師会の医療支援活動は、避難所が仮設住宅に移る7月末日まで行われる。在日医師会では一人でも多くの在日医師の協力をと呼びかけている。連絡は曺会長(☎️090・9366・1354)。